よく訊かれるのが「賞味期限を過ぎた缶詰は食べられますか?」ということ。缶詰は長期保存できるから、買ったときに戸棚などへ仕舞いこみ、そのまま存在を忘れてしまうことが多いようですなァ。
缶詰に書いてあるのは賞味期限。その期限内なら美味しく食べられますよという意味で、期限を過ぎても食べられなくなるわけではない。缶詰のほか瓶詰、冷蔵保存のハム・ソーセージ類などに設定されている。それに対して、サンドイッチやお弁当など保存の利かない食品に書いてあるのが消費期限。その期限を過ぎたら食べられませんよという意味だ。どうして食べられなくなるかといえば、食品が腐敗するおそれがあって、食べると身体に毒だからであります。
ではもっと突っ込んで、缶詰は賞味期限を過ぎたらどうなるのか。僕の体験では、賞味期限を約10年過ぎたカニ缶は問題なかった。やや金属臭が強まったかなというくらいで、色合いも鮮やかだったし、味も美味しかった。賞味期限を21年過ぎたパテ缶も、問題なかった。缶に密着してなかった部分の肉が色褪せたようになっていたが、それだけである。不味かったのは賞味期限を2年過ぎたりんご缶だ。缶が膨らんでいたのだ(画像参照)。しかし腐敗して膨らんだのではなく、りんごの糖分とアミノ酸が化学変化を起こし、二酸化炭素を発生させたという事例であります。開けるときにシロップが飛び散って大変だし、食べてもりんごの味がすっかり抜けてしまい、まったく美味しくなかった。結論を申せば、賞味期限内に食べた方が美味しいよ、ということであります。