新しい缶詰が続々と発売される今日この頃。牛肉の赤ワイン煮とか、黒豚のアヒージョとか、名前を聞くだけでよだれが垂れそうなものばかりだ。
一見すると、目新しい料理をどんどん缶詰化しているようにも思えるけど、実はそうではない。缶詰も食のトレンドを反映しているのであります。例えばアヒージョの缶詰がこれだけ多く出ているのは、バル形式の店が増え、アヒージョというスペイン料理が広く知られるようになったからだ。
しかし、なかなか日本で普及しない料理もある。それはパテであります。あの、パンにぺたぺた塗って食べるパテが、なぜか我が国では人気がない。いや、食べれば美味しいのは知っているのだが、常備品にしようとまでは思っていない。パンの消費量が米の消費量を抜いてすでに数年経つというのに、そのパンに塗るパテが根付かないのはまったく不思議なことだ。やっぱり、昔ながらのバターorジャムが好まれるのだろうか。
海外だとパテの缶詰はメジャーな存在で、かつ中身も多彩。肉や魚のパテは定番として、野菜のパテもあるし、変わったところでは豆腐のパテというのもある(画像の缶詰)。実はこれ、スペイン製である。日本の伝統食である豆腐がパテになって、彼の地で売られているのである。しかも中身は有機栽培で育てられた大豆を使った豆腐という、トレンディーな付加価値が付いたもの。こういうのを発見すると、何だか外国に先を越されたような気持ちがして、ちょいと悔しいのであります。