缶詰は味が濃い。しょっぱすぎたり甘すぎたりする。だから長持ちするんだ...という思い込みをしている人がいるが、これは間違いであります。缶詰は加熱殺菌することで菌類や微生物が発生するのを防いでおり、そいつらがいない限り、食べ物は永遠に腐らない〜つまり長持ちするのだ。
例えば、スイートコーンの缶詰とかトマトの缶詰を思い浮かべると判る。それらの素材缶詰はほとんど味付けをしていないが、それでも賞味期間がほかの缶詰と同じなのがその証しである。
味付けの濃い薄いは、個人の好みでずいぶん変わる。僕はかつて、濃い味付けを好んでいたが、おじさんになってからは薄味が好きになった。より正確に申せば、塩分が少ない方が好きなのである。そんな今の自分からすると、ちょいと「しょっぱいなァ」と思う缶詰も多い。逆に「塩味が少なくて美味しい!」と思う缶詰もずいぶん増えた。とくにこの数年で、薄味の缶詰が増えてきたようだ。
缶詰は真空状態で加圧しながら加熱調理される。そうすると具材に味が染み込みやすいので、家庭で料理するときよりもずっと、塩分糖分を少なくしないといけないそうだ。新商品を開発するとき、まずは鍋を使った普通の調理法で試して見るのだが、そのときの塩分量を実際の缶詰製造で使うと、ものすごくしょっぱくなるんだそうである。
家で煮物をするときなぞ、砂糖と醤油をどばーっと入れた方が、味が短時間で染み込んで美味しい。でも缶詰だとそれでは多すぎる。結果的に「缶詰は意外と塩分少なめ」といえるんであります。