缶詰雑学
パッカーさんの話
国分の「缶つま」がどこで作られているか、ご存じだろうか。「えっ、国分の工場で作ってるんじゃないの?」と思われるかも知れないが、実は違う。各地にある缶詰メーカーに委託して作ってもらうのだ。
缶つまの新商品を作るには、まず国分の商品開発部でメニュー開発を行う。メニューが決まったら、その分野が得意な缶詰メーカーに持ち込んで、今度はメーカーの社員と一緒になって試作する。もともと想定した味付けになるように、何度か試作を行って調整していくのだ。新しい商品を開発する国分社員と、実際に缶詰を作る缶詰メーカーの社員が共同作業を行って、ひとつの缶つまが出来上がる。これが基本的な流れであります。
そんな缶詰メーカーのことを、缶詰業界では「パッカー」と呼んでいる。缶詰にパックする業者、という意味だと思う。パッカーの工場は全国に300以上あって、それぞれ得意な分野がある。漁港の近くなら魚の缶詰だし、果物の産地ならフルーツ缶という具合である。だから缶つまも各地の様々な食材を起用し、それを多彩な調理法で仕上げていくわけ。
缶つまが面白いのは、パッカーが国内にとどまらないことであります。「缶つまGLOBAL TOUR(グローバルツアー)」シリーズでは、スペインとフランスのパッカーが作った逸品が揃っている。僕がとくに気に入ってるのは「サバのエスカルゴバター」というやつ。エスカルゴバターというのは、あのエスカルゴが入ってるわけじゃなくて、ニンニクや香草を練り込んだバターのこと。それで味付けしたサバは風味絶佳。白ワインなんかにぴったり合うんですぞ。