缶詰雑学

牡蠣の缶詰

昔から、Rのつかない月に牡蠣を食べてはいけないと言われている。
RはSeptemberとかOctoberみたいに語尾につくのもあるし、JanuaryやAprilみたいに途中につくのもある。
逆に言えば、Rがまったくつかないのは5月(May)から8月(August)だけである。
なぜこの時期に食べてはいけないのか。

物の本によると、この温かい時期は牡蠣が痛みやすく、食中毒を起こすことが多かったからだという。
他にも、この時期は牡蠣が産卵期に入るので、身がやせてしまい「食べても美味しくない」という説もある。
いずれにしろ、今は世界中から新鮮な牡蠣が届くから、何月であろうと気にせず食べられるようになった。

そこで思い出すのは缶詰の牡蠣。ほとんどのものが燻製の油漬けになっている。これは、燻製にすることでうまみを凝縮し、同時に食欲をそそるスモーキーな風味をまとわせるため。生牡蠣の苦手な人でも、これならぺろりと食べられる。
そのままでも充分美味しいが、温めると牡蠣の身がぷくっとふくらんで、食感が俄然良くなる。これを応用してアヒージョにしても美味しい。耐熱容器に燻製の牡蠣を入れ、缶の油も注ぎ込み、その上から、みじんに切ったにんにくと赤唐辛子を振りかける。
これをオーブントースターで焼くわけだ。にんにくの香ばしい匂いがしてきたら出来上がり。最後にパセリを散らすと彩りも良くなってモアベターであります。
小さく切ったバゲットを用意しておけば、牡蠣のうまみが溶け込んだ熱々の油に浸して食べられる。そこに白ワインなぞあったらもう、こたえられませんぞ。

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