缶詰雑学
ウニ缶の誘惑
ウニは生で食べるもの...という常識をひっくり返す料理が福島県にある。
太平洋に面したいわき市では、昔からムラサキウニがよく捕れた。
その身(卵巣)を取り出し、ホッキ貝の殻にコテコテと盛り上げ、これを石焼き鍋で蒸し焼きにして食べるのだ。
水分が飛んだウニは、身が引き締まって歯触りもよく、あま味とうま味が凝縮される。
「生ウニより美味しいヨ」と地元の人はいうが、確かにその濃厚な風味は、生では絶対に味わえないものであります。
缶詰のウニも同じことで、加熱されている分、身がぎゅっと引き締まっている。
現在は数種類のウニ缶が出ているが、缶つまの「うにのコンソメジュレ」はとても珍しい存在。
大きなウニの身がコンソメジュレ(ゼリー)に閉じ込められているという、まるでフランス料理のような缶詰なのだ。
とろりと柔らかいジュレは品のいい味つけで、ウニと一緒にすくいとって口に運ぶと、ジュレの塩気にウニの甘味が加わり、さらに磯の香りが鼻からふわりと抜けていくという絶佳陶酔の世界。
「これは薄切りにしてバゲットとかに乗せてもウマいかもな」「パスタの具にしたら2人分は作れるぞ」などと考えるが、美味しさのあまり箸が止まらず、全部平らげてしまってボーゼンとなる。
1缶990円と高価だが、使われているウニの量を考えると非常にコスパが高いと思う。
常温保存できるから、食べたいときにいつでも食べられるし、ホムパに持っていけばみんなの気持ちも一気に上がる。
ウニ缶はいいことずくめなのであります。